河鍋暁斎
河鍋暁斎(かわなべ きょうさい 1731-89)は、
幕末から明治にかけて活躍した絵師です。
海外では一に北斎、二に暁斎と言われるほど
非常に人気があるのだそうです。
暁斎の絵はユーモアとウィット、そして痛烈な風刺に富んでいて
大変ユニークで、私の大好きな画家の一人です。
ちなみに鹿鳴館などを作った建築家のコンドルは、
暁斎の元で日本画を学び、暁英という名で絵を描いています。
ちょうどこの本がお店に入ってきたので読みました↓
- 作者: 河鍋暁斎,山口静一,及川茂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1988/08/16
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (8件) を見る
上記の本に載っていた中で、私のお気に入り↓
文明開化に遅れまいとして、長〜い頭にシルクハットをかぶろうと
苦心惨憺の福禄寿(七福神の一人)が描かれています。
ユーモラスで楽しいですね(^〜^)
と、本を楽しんで読んでいたところ、
「暁斎の本なら、明治期の本物がうちにあるよ(−ω−)」
と言いながら、くまきちが棚から何やら1冊の本を
持ってくるではありませんか! ��(゜▽゜)
タイトルは「暁斎鈍画」
奥付を開いてみると、明治14年4月発行!
まあ〜〜〜、こんな本が棚からひょいっと出てくるなんて、
古本屋さんってなんて素敵なの!! (≧▽≦ノノ゙☆
↓中の一部をご紹介
動物の妖怪達でしょうか、楽しいですねえ(´▽`)
☆ ☆ ☆
一番上の岩波文庫によれば、暁斎は、
●一般に狩野派は他流の研究を禁じていたのだが、
暁斎の研究領域は狩野派巨匠達から漢画、水墨画、大和絵、円山、
四条、南画、琳派、浮世絵諸派、唐以来の中国名画まで
非常に広範囲に及んでいた。
●西洋の人体解剖図によって、骨格の構造と筋肉隆起の相関を学んだ。
そして一番興味深かったのが、
●「自分は西洋の画家のようにカラスを見ながら写生することはない。
描こうとするカラスの姿勢を凝視し、それを脳裏に焼き付けてから
別室で写す。記憶が消えたら筆を置き、再びカラスを観察し
脳裏に刻んで別室で描く。
何百冊もの画帖でこの訓練を積み上げた結果、
ようやく自由に筆を使う技術をおぼえ、
また記憶力の訓練によりどんなものでも一目見ただけで
写生ができるようになったのです。」
なるほど・・・・暁斎が描くいきいきとした戯画の影には
こんな技術や努力があったのだと感嘆してしまいました。
暁斎は海外での評価の方が高かったので、
相当量の絵が日本ではなく海外に存在します。
だからこそ大震災も第二次大戦の空襲も免れ、
今日なおその全貌を知ることができるのだという
大変ありがたい側面もあるのですが、
日本人の絵が日本ではあまり評価されずに
どんどん海外に渡ってしまったという図式は、
なんとも複雑な気持ちがいたします。
当時国内では、浮世絵は今の雑誌や新聞紙と同じ感覚で、
平気で茶碗を包む紙に使われたり
ふすまに貼られたりと使い捨てにされていたそうですから・・・・
外国の方達が助け出さなかったら、
浮世絵なんてほとんど残っていなかったかもしれませんね(;´〜`)
人気ブログランキング(本・読書部門)は現在6位です、
皆様どうもありがとうございます!
こちらが投票になります!→ 【人気ブログランキング!(^◇^)9】