北森鴻・デビュー作


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最近すっかり北森鴻さんにハマっております(>▽<)
今度はこちらの2冊を読みました。


狂乱廿四孝 (角川文庫)

狂乱廿四孝 (角川文庫)

「狂乱廿四孝(きょうらんにじゅうしこう)」北森 鴻

明治三年。
脱疽のため右足に続き左足を切断した名女形
沢村田之助の復帰舞台に江戸は沸いた。
ところが、その公演中に主治医が惨殺され、
さらには、狂画師・河鍋狂斎が描いた一枚の幽霊画が
新たな殺人を引き起こす。
戯作者河竹新七の弟子・峯は捜査に乗りだすが、
事件の裏には歌舞伎界の根底をゆるがす
呪われた秘密が隠されていた…。

明治好き、そして河鍋狂斎好きのにゃん子としては、
このあらすじを読んだだけでも
ハアハア!((((;´Д`)))) ハアハア!(興奮)


この本には、江戸〜明治期を生きた実在の人物がたくさん登場しています。
河鍋狂斎をはじめ、河竹黙阿弥狂言作家)、仮名垣魯文(戯作者)、
九代目市川団十郎、五代目尾上菊五郎(歌舞伎役者)。
そしてストーリーの要となる、三代目澤村田之助(1845〜1878)。
私は歌舞伎について知識が無いので
この本で初めて三代目澤村田之助の名前を知ったのですが、
大変壮絶な役者人生を送った人なのですね。
全盛期の頃は江戸の絵草紙屋の役者絵の7割は彼が占め、
紅や小袖など「田之助」と名前を付ければ何でも飛ぶように売れたそうです。
しかし脱疽(体が腐っていく病)にかかってしまい次々と手足を切断、
それでも執念で舞台に立ち続けましたが最後は発狂してしまい、
座敷牢に閉じ込められ三十四歳の若さでこの世を去ったのだそうです・・。


ところでこの作品が、第六回鮎川哲也賞を受賞した
北森鴻さんのデビュー作なのだそうです。
まず最初、狂斎が書いた幽霊画の独白から始まっており、
その意表を付いた冒頭からすぐに作品の世界に
ぐいぐい引き込まれていきました。
明治初期が舞台なのですが雰囲気は江戸の時代物のようで、
ご本人のあとがきを読むとこの小説を書いた当時
池波正太郎に傾倒していたそうで、なるほどなるほど。
それにしてもデビュー作からしてすでにこんなに面白いのか・・・と
感心してしまいました。さすがですね!


   ☆  ☆  ☆

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

「孔雀狂想曲」北森 鴻

東京は下北沢の片隅にある骨董品屋・雅蘭堂。
店主の越名集治は実は相当の目利きなのだが、
商売はそれほど上手くない。
おかげでいつも開店休業状態。
それでも、ひとたび人々の記憶や思いのこもった
骨董品をめぐって事件が起きると、
抜群の鑑定眼と推理力で謎に挑む。
ベトナムジッポー、鉱物標本の孔雀石、江戸切子ーーー
様々なモノと謎が今日も雅蘭堂を訪れる・・・。
傑作ミステリ連作集。

根付のお話が特に面白かったです。
比類なき才能を持っていながら
その才を表立って発揮することができないでいる根付職人と、
思わずニヤリとさせられる粋なコレクターの老人。
そして主人公の越名がからみ、
最後は晴れ晴れしく終わってニコリとさせられます。
ストーリー自体はどれも面白かったですよ。
でもにゃん子としては、越名とコンビ(?)を組む
女子高生アルバイトが正直どうも好きになれない・・・
万引きに対して良心の咎めを感じなかったり
店内の商品を壊しちゃう姿は
職業柄どうしても許せんのです(▼曲▼)キー!


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