「銀座開化おもかげ草紙」


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さ、さ、さ、寒い・・・・・・{{{{(×д×)}}}}


今日はほんとめちゃめちゃ寒いですよね、
家の中にいるけどコート着て手袋してますよ私!
(地球のためにも、ガンガン暖房をつけるのではなく思いきり厚着をすべし!(’▽’)9 )
こんな日はやはり、猫を膝に乗せて温まりながらのんびり読書だ!


「買取でこんなん出たよー。にゃん子さん好きそうだ(−ω−)」
と言って渡されたのはこちらの本でした。

銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)

銀座開化おもかげ草紙 (新潮文庫)

「銀座開化おもかげ草紙」松井今朝子新潮文庫

三十歳。世を捨てるには確かに早い。
しかしこの明治の世に、私の居るべき場所などあるだろうか。
無為に過ごしていた士族・久保田宗八郎は、兄の求めにより、
銀座煉瓦街で暮らすことに。
大垣藩主の若様、薩摩っぽの巡査、耶蘇教書店を営む元与力。
隣人達はいずれ劣らぬ個性の持ち主であった。
文明開化の発信地で、宗八郎の気骨がいぶし銀の輝きを放つ。

正直、作者の松井今朝子さんのお名前は私今回初めて知ったのですが、
めちゃめちゃ面白かったです、ビックリしました Σ(゜−゜;)
原胤昭(はらたねあき・教誨師)、高島嘉右衛門(たかしまかえもん・実業家)、
戸田欽堂(とだきんどう・小説家)など実在の人物を取り混ぜながら、
激動の時代の中で懸命に生きている人々の姿を
捕物帖という形を取りながら鮮やかに映し出しています。
異人さんと前途多難な恋に落ちてしまった娘さんには
思わず感情移入して応援してしまったし(笑)、
一新の混乱にまぎれて身分違いの美しい妻を娶った俥夫の苦しみや、
一度目は武士の名を汚し二度目はその身を挺して孫の命を救った祖父と
物語を紡ぎながら健気に生きていく孫の姿などには
思わずグッときて涙ぐんでしまいました。


それにしても最近環境問題がクローズアップされるにつけ、
改めて日本の江戸時代がエコ的にいかに優れていたのかということを
感じさせられるのですが、この本の解説にも興味深い事が書かれていたので
抜粋させていただきます。

江戸時代の民度、ことに大都市文化の高度さは
19世紀世界に比類がない。
王侯貴族の後援なしに演劇興行が常時行われ、
それが投資の対象にさえなるとは日本だけの現象だった。
完全な軍縮に成功、超エコロジカルでいて、
先物相場をはじめとする商品取引と成熟した流通機能のものと、
二世紀半の平和を楽しむことが出来た。
しかしそのため武家は寄生階級に堕した。
幸か不幸か産業革命が生じず、従って近代兵器を持たなかった。
大量生産大量消費の循環に入らなかったから、
海外植民地と海外市場を必要としなかった。
要するに列強のような「蛮力」を失っていた。
閉鎖系の充実した文明を捨てて「蛮力の世界」に身を投ずる、
それが革命(文明開化)の目的となった。
やむを得ざる緊急避難のごときものであった。

江戸では物は徹底的に完全リサイクルされていたそうですし、
産業も発達しなかったので地球を汚すこともなく、
アメリカ型の大量生産→大量消費にすっかり毒されている今の日本とは雲泥の差です。
大量生産→大量消費とは即ち、
「たくさんお金を使って買いましょう!
 どんどん捨ててゴミにしましょう!
 そしてまたたくさん買いましょう!」

ということなのですから・・・・
ありえない話ですが、もし欧米に開国されていることなく延々と鎖国が続いていたら
今頃日本はどんな風になっていたのかなあ・・・とつい空想してしまいます。
少なくとも地球にとっては、江戸時代の文化の発達くらいが
環境に害がなくてちょうど良かったんだろうなあ・・・


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